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いよいよ桜が満開になった今日、すごいものを見てしまった。
ミイラ。
古代日本人の。

うららかな光を受け、花びらを輝かせている陽気な外の景色とは対照的な、
ひっそりとした陽の当たらない部屋の中に、彼はいた。

湿度の高い日本で奇跡的に残った彼は、
黒々とした髪をしっかりと残している程、完全なもので、
窮屈そうに体を折り曲げていた。
かめに入れて埋葬されていたものが、発掘されたらしい。

エジプトのミイラなどではなく、日本人のミイラ。
彼の時代から脈々と血が受け継がれ、
現在の日本人へつながっているのかと思うと、
水分を失った彼が、とてつもなく神聖なものに思えてくる。

周囲には、古代から現代に至るまでの、数百にものぼる人骨。
小学校の理科室にあった人骨標本と同じ物も数体。
理科室と違うのは、それが本物だということ。
思わず視線を落とすと、目の前にも。後ろを振り向くとそこにも、
所狭しとひしめいている。

人骨に周囲をぐるりと囲まれた中にいると、
異次元の空間へ迷い込んだような感覚に陥る。

白骨になった彼や彼女を見ている体温のある生身の私は、
彼らと何の違いもないのではないか    

外へ出ると、光を受けた花びらが、はらはらと舞っていた。
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めまい
古代人のミイラや動物たちの化石を見ると、不思議な気分になりますよねぇ。
「生身の時は、いったいどんな生活をしてて、回りの世界はどんなだったのだろう…」
などといろいろ想像を巡らすうちに自分自身がその時代に引きずり込まれそうな“めまい”を起こします。
徒然日暮 URL 2008/04/05(Sat) 編集
まさに
>徒然日暮さん

そう!そんな感じです。
まさに、めまいを起こしそうな、そんな感じです。
目の前のミイラや骨にも生きていた時間が確かにあって、
その頃とは様変わりしてしまっている自分の目の前に、
時を越えて存在していることが不思議でもあり、
儚くもあり。
地球の歴史からすると、生身でいる時間なんてほんの少しのことで、
あっという間に私もこっちの世界にいくんだなー
なんて思ったりしました。
ソラ 2008/04/08(Tue) 編集
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