贈り物

仕事から帰ると、姉からの小包が届いていた。

姉から何かを送ってくるという記憶はほとんどなく、
互いに結婚してからはなかなか会う機会もないまま、既に数年。

包みを開くと、クッション材の間に見え隠れする何やらたくさんの薄いもの。

クリスマスクッキーでした。
かわゆい。
写ってるもののほかにも、まだまだたくさん隠れてる。

それにしても、突然なぜ？
といぶかしがる私に殿が、
「気にかけとるとよ。」
と。

ほんの数日前、義父が亡くなった。

私は、殿の家族が好きで好きで、義父のことも大好き。
義母や義妹とはまた違う気遣いをしてくれ、いつもさりげなく
手を差し伸べてくれる人だった。

親戚がたくさん集まる場所で、所在なさげにしている私を外に連れ出し、
本当は一人が好きなはずの義父が一生懸命話をしてくれたり、
正座をしていると真っ先に「足を崩していいよ。僕も崩すから。」と
言ってくれたり。
家に遊びに行くたびに「ソラちゃんに」と、色々な場所で買ってくれていた
お土産を渡してくれたり。
本当に、よくしてもらった記憶しかない。

義父のお通夜、告別式では、以前助けてくれた時のように
所在なさげにしている余裕などなく、お陰で、
親戚とも少し距離が縮まったような気がする。
まだ、近くにいてくれているであろう義父は、それを見て
少しは安心してくれただろうか。

年賀状などは義兄の名前で出す姉が、今回は自分の名前で私宛に
送ってくれたクッキーも、姉としての妹への励ましだったのかもしれない。

たびたび思うことだけど、不義理ばかりしているのに色々な人が優しくしてくれて、
本当に私は幸せものです。